
「散髪式」と書くと「断髪式」みたいで厳かですね。住職の「散髪」を行う裏住職です。
背景に写っているのは自慢の鐘つき堂。
ちなみに相撲界では引退のときに断髪式をしますが、お坊さんの世界では入山するときや長い修行から帰ってきた際に断髪式を行うので、逆ですね。もっともお坊さんの世界に本当の引退はないようなものですけどね。
今となっては父の長髪は想像がつきませんが、アメリカでは髪を丸めていなかった父。家族でアメリカから日本へ移ってきた際、頭を丸めたわけですが、それを見て泣きながらカーテンのすそに隠れた幼少の私と姉を見て涙ぐんだ、という若かりし父の話を母がいまだに笑いながら話すことがあります。

芝刈りと同じ要領でしょ?と私が言ってから、やたら口数が多くなった父(実験台)。
急に心配になった様子。
まぁ、無理もないです。
前回の芝刈りの様子「虎刈り」
免許取りたての私の車に初めて乗った父を思い出しました。
母には「大丈夫だよ、加奈子は僕の娘だから」とノリノリで乗車した後、息継ぎなしにずっとしゃべり続けた助手席の父。

子供を信用する以外にチョイスがないので、私みたいな子の親は相当器がないと、もたないでしょうね、、、。
散髪の後、たんぽぽの綿帽子みたいにふわふわ芝生に浮いている白髪を見て、頑張って住職を支えてあげないと、としみじみ。
来年の年始から、千葉鴨川の清澄寺別当でもある父は大乗寺を不在にします。シカゴ在住のお弟子さんがお手伝いに帰国してくれることにはなっていますが、裏住職も頑張らねば乗り越えられない繁忙期です。
いそいそとお札の在庫チェックをし、住職不在で迎える大乗寺の年始の準備を始めた裏住職でした。