「黒髪」と「金髪」って書くとあまりにも乱暴なくくりな気がするのでカタカナタイトルにしました。英語でもブラックヘアは言わないなと(笑)
今ではたくさんの毛束やマネキンと一緒に暮らしている私ですがメーカーに就職したばかりのころ、初めて毛束を作るシーンを目撃した時はものすごい衝撃だった記憶があります。
なので美容業界じゃない方は聞き慣れなくてビックリされるかもしれませんが人毛って貴重な素材なんです。メーカーのカラー剤やパーマ剤もブリーチ力や発色、パーマのリッジ、ダメージについて確実に把握するために人毛テストをしながら研究開発をしています。

日本で使用されているアジア人毛は中国から輸入されたものがほとんどです。一方ヨーロピアン人毛は世界的にも入手ルートが狭く限られていて、本物を入手するのはほぼ不可能とされています。よく出回っているものはアジアンヘアをブリーチしたものばかりだったり。
でも、、、普通にアジアンヘアをブリーチしても、もしくは色々な補色を使ってトーンコントロールしても、あの白人毛のモスグリーンっぽいブロンドとか、赤みのないマットなブラウンの感じって、とってもとっても作るのが難しいってこと、日本人の女性はわかってる気がします。白人のくせ毛もそうだけど、1度は憧れて諦めた領域なんですよね。

そんなことを考えながら、今日、ロス社から届いた毛束を広げて状態をチェック。すべてナチュラルヘアなので、色ムラやくせが強かったり、しっとりした質感があるのも特徴です。
アジアンヘアだと、ブリーチしていくごとに失われていく毛髪内のメラニン量で黒から赤褐色、橙色、黄色、淡黄色と変化していく明度&色味で並べられなくもないんですが、中明度領域になると明るさ順で並べられないのがヨーロピアンヘア。アジアンヘアにはもともとない色や、黄色なのに明度が深いものがあったり。

アジアンヘア式の枠でとらえようとすると迷子になります。トーンと明度は別次元で絡まっていないといけないわけで。海外のカラー剤がレベルではなくトーンベースで開発されている背景を今日また再認識。